【新唐人日本2011年12月4日付ニュース】11月30日、西側6カ国中央銀行のドル資金提供共同声明の数時間前、中国人民銀行は預金準備率を0.5%引き下げると発表。その直前までは高止まりのインフレ率への対策として、今年だけでも連続6回預金準備率を引き上げました。中国の揺れ動く金融政策をどうみるべきでしょうか。専門家の分析を聞いて見ましょう。
評論家 陳志飛氏:「中国当局の預金準備率引き下げの発表には各メディアが大きな反響を見せています。金融緩和のシグナルであるとの見解が多いですが、三つの点を挙げたいと思います」
「先ず 中国当局は経済のハードランディングを恐れています。輸出が3ヶ月連続で減少し、製造業も大幅に縮小しています。最も致命的なのは不動産市場の崩壊で、このままだと中国当局も危険だと判断したのでしょう。それで逆行の手を取り、緩和政策を取ったと思われます」
「第二 現在のインフレ率は少しは下降したものの、それでも5.5%台です。インフレに対処しながら、経済成長を恢復させるのは中国当局が直面している。解決できない難題です」
「第三 ハードランディングとインフレを比較した場合、中国当局はハードランディングを選びます。なぜなら 今回の緩和政策で約3900億元の現金が流通にまわります」
「また中国は国際慣例を採用せず、つまり貯蓄率 銀行貸付利率で調整 流通するのではなく、銀行準備金の方法を取っています。よって これらの現金の多くが国営企業または不動産貸付産業に流入し、不動産バブルの再来を招きかねません。原材料が値上がりし、インフレがさらに高進しかねません。この点で 中国当局はハードランディングより、インフレのほうが受け入れやすいと考えたのでしょう。それは民生の問題だからです。当局は一貫して危機コストを国民に押し付け、国民に金融搾取を負担してもらうのです。前から予測していたことです」
「長い目で見ると中国当局の今回の行動は不明知です。スタグフレーションを招き、当局は進退両難の窮地に陥るでしょう。今回のような緩和措置を取るとインフレがさらに高進するでしょう。しかし こうしないと中国経済はハードランディングします。中国経済の解決できない難題が更に浮き彫りになりました」